ラミネート加工の「光沢」は好みが分かれる?ストーンアイランド ムソラ・ゴマータ ジャケットを素材から疑う
透明なポリウレタンフィルムをラミネートした生地、と聞いて最初に浮かんだのは、「これ、テカテカしすぎないだろうか」という不安だった。ストーンアイランドの2025年春夏コレクションに登場した「ムソラ・ゴマータ ジャケット」は、発表では深みのある光沢を放つ超軽量ジャケットとして紹介されている。光沢という言葉は、上質に見える場合と、安っぽく見える場合の紙一重で、写真の印象だけでは判断しにくい。ここから先は、私が着たわけではなく、公開された情報をもとにした見立てだと先に書いておく。
素材の出発点は、ブランド初期を代表するラソ・ゴマートの進化版として開発された生地だという。ストーンアイランドは、素材開発と加工に力を入れるブランドとして知られている。今回は超軽量のコットンに、透明なポリウレタンフィルムをラミネートしている。コットンの風合いを残しつつ、フィルムで深みのある色合いと、撥水性、防風性を加えるという設計だ。ここで大事なのは、コットンが主役のまま機能を足している点だと思う。ナイロンの機能素材とは、見た目の質感がかなり違うはずだ。
ただ、ラミネート加工には、一般論としての注意点もある。フィルムを貼り合わせた生地は、風を通しにくい反面、内側に湿気がこもりやすい。春先の少し暑い日に着たら、蒸れないだろうか。さらに、長く使うとフィルムの劣化が起きる可能性もあると言われる。今回の紹介には、通気性や耐久性、洗濯の可否が書かれていないので、実際にどうなのかは分からない。購入前に、店頭でお手入れ方法を必ず聞きたい部分だ。
中綿入りで防寒性もある、というのが嬉しい点として挙げられている。超軽量の生地に中綿という組み合わせは、初春や秋口の使い勝手がよさそうだ。ただ、中綿が入るぶん、シルエットはふっくらするはずで、「超軽量」という言葉から想像する軽快なラインとは少しずれるかもしれない。ここは写真と実物で印象が変わりやすい。私なら、試着して、肩まわりと身幅のバランスをいちばんに確認する。
デザイン面では、フロントがダブルジップアップのファスナーとスナップボタンで、左袖にはブランドを象徴するバッジが付く。私は、このバッジ付きの左袖が好きだ。ロゴを大きく出さず、袖の一点に収めているところが、ブランドの流儀に見える。反対に、ダブルジップとスナップボタンを両方付けるのは、少し情報量が多いと思う。ファスナーを開け閉めする手間と、ボタンを留める手間が重なって、毎日着るなら面倒に感じる日もありそうだ。
比較の軸は、ブランド名を並べるより、「機能素材のジャケットに何を求めるか」で考えたい。たとえば、ナイロンのシェルジャケットは、水や汚れに強く、手入れが簡単な印象がある。それに対して、コットンにフィルムを貼ったこのジャケットは、色の深みと、どこか布らしい表情が持ち味になる。気軽に着て洗いたい人は前者、素材の雰囲気を楽しみたい人は後者。ここは優劣ではなく、気質の違いだと思う。
購入の姿勢についても少し。ストーンアイランドのようなブランドは、正規店で買うことを前提にしたい。素材の加工が価値の中心だから、出どころが不確かなものでは、その価値を確かめようがないからだ。発売は2025年1月10日(金)から、ストーンアイランド直営店などで。価格は今回の情報にないので、まず公式の案内を見て、予算を決めてから店に行くのがいいと思う。納得して買うことが、満足につながる。
もう一つのモデル、「ムソラ・ゴマータ フーデッドジャケット」にも触れておく。こちらはスタンドカラー型だけでなく、フード付きでも出るそうだ。カラーは淡いローズ。私の正直な感想は、ローズはかなり人を選ぶ、というものだ。着こなしに取り入れやすい仕上がりと紹介されているけれど、メンズの服でピンク系を日常に溶け込ませるのは、手持ちの服との調整が要ると思う。
結論として、私が選ぶなら、ローズではなく、スタンドカラーの落ち着いた色のほうだ。春先の軽い羽織りとして、一着持っておくと便利だと思う。逆に、通気性や手入れの手軽さを重視する人には、勧めにくい。ここまでは、公開情報と一般的な見立てから考えた話にすぎない。実物の光沢の具合は、店頭で自然光の下で確かめてほしい。


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